ウエディングドレスと並んで、多くの方がフォトウエディングの機会に着用される「和装」。
日本の伝統的な婚礼衣装として、今もなお根強い人気があります。
そんな和装にも「白無垢」や「色打掛」をはじめ、いくつかの種類があり、また色や柄によって込められている意味にも違いがあるのをご存知でしょうか。
そこで今回は、花嫁衣装として着られている和装の種類や、色や柄に込められている意味について解説していきます。
自分が着たい理想の和装を着用して、最高のフォトウエディングを迎えてください。
□花嫁衣装の和装の種類
一口に「和装」といっても、その中にはいくつかの種類があり、それぞれ異なる特徴や歴史があるのです。
ここでは、代表的な花嫁和装を4つご紹介します。
*白無垢
白一色で統一された「白無垢」は、和装の中でも最も格式の高い正礼装です。
かつては武家社会の花嫁衣装として着用されていて、戦後になってから一般の人の間でもよく着られるようになりました。
また、真っ白なその色には「清らかな身と気持ちで式を迎え、嫁ぎ先の色に染まる」、そんな意味も込められています。
*色打掛
白無垢と同等に格式高く、華やかな衣装として人気があるのが「色打掛」です。
色打掛のデザインには、「鶴」や「鳳凰」などの縁起の良い文様が入っているものも多く、「花嫁が幸せになれますように」との願いが込められています。
カラーやデザインのバリエーションが豊富なため、自分好みの色や柄を選べるのも、色打掛の人気が高いポイントです。
*引き振袖
一般的な振袖よりも袖の長い「引き振袖」は、大振袖とも呼ばれ、江戸時代から続く花嫁の正式な婚礼衣装です。
美しく染め上げられた草花模様が裏地にも華やかに描かれていて、美しい立ち姿を演出できます。
裾にはふき綿が入っていて、女性らしい優美なラインも引き振袖の大きな特徴です。
*振袖
振袖は未婚女性のみが着用できるものなので、振袖を着られる最後の機会として、結婚式やフォトウエディングでも多くの方が着用されています。
華やかな振袖は、色打掛にも見劣りすることなく、他の和装に比べて動きやすいため、長時間にわたる撮影にもピッタリです。
□和装の柄・文様の意味
多くの花嫁衣装は、たくさんの柄や文様で彩られています。
ここでは、代表的な柄や文様に込められた意味について解説していきます。
「鶴」の文様は、長生きの象徴として、とても縁起の良いデザインです。
また、鶴には「夫婦和合」の意味も込められていて、おめでたい文様として婚礼衣装に多く用いられています。
「熨斗(のし)」の柄は、古くから縁起物として扱われてきた熨斗を、引き延ばして帯状にした文様です。
縁起の良い吉祥文様として、婚礼衣装で非常に多く用いられています。
「貝桶(かいおけ)」は、対となる貝を探す「貝合わせ」で使われる貝をしまっておく入れ物のことです。
これをイメージした貝桶の柄は、運命の人と出会い、結婚を迎える早嫁にピッタリのモチーフです。
「鳳凰(ほうおう)」の文様は、平和の象徴であり、華麗で格調の高い文様です。
優美で鮮やかな姿が、吉祥文様として多くの方から好まれています。
「檜扇(ひおうぎ)」は、平安時代の姫君が持っていたものです。
末広がりの形状で縁起が良く、雅やかな雰囲気も魅力的です。
□色打掛の色の意味
1.流行りに流されない王道の「赤」
色打掛の中でも、最も人気の高い王道カラーは「赤」です。
見た目の華やかさだけでなく、赤は太陽や生命を象徴する色でもあるので、縁起の良いカラーでもあります。
また、一口に「赤」といっても、鮮やかな「朱赤」から、淡く落ち着いた「茜色」まで豊富な種類があるため、自分好みの1着を見つけられるでしょう。
2.洗練されたエレガントな雰囲気の「黒」
黒の色打掛は、「嫁ぎ先以外の色には染まらない」そんな決心も込められている衣装です。
落ち着いた印象を持ちつつも、凛と洗練された美しさを演出できるのも、黒の色打掛のポイント。
小物やブーケでアクセントを加えれば、シンプルすぎない、おしゃれな着こなしを楽しめますよ。
3.豪華で高貴な「金」
ゴージャスで高級感のある「金色」には、高貴・豊穣・神聖といった、とてもおめでたい意味合いが込められています。
豪華で華やかな印象が、主役である花嫁を引き立たせてくれるため、印象的な1枚を残すためにとてもピッタリの衣装です。
4.かわいらしく愛らしい「ピンク」
愛情の象徴としての「ピンク」は、婚礼衣装として非常に相応しいカラーです。
また、かわいらしいだけでなく、着用すると花嫁の顔色を明るく見せてくれる効果もあります。
桜や桃などの春を表す色でもあるため、これから新しい生活を迎える花嫁にもピッタリです。
□和装の選び方をご紹介
ここまで、和装の種類や、デザイン・カラーのバリエーションを紹介してきましたが、これだけたくさんの種類があると、どれにするかで迷ってしまいますよね。
そこでここからは、和装の選び方について解説していきます。
後悔のない1枚をフォトウエディングで残すためにも、これからお伝えするポイントはきちんと押さえておきましょう。
*「好き」と「似合う」を同時に叶えられる色柄を見つける!
どの和装を着用するか決める時は、第一印象を決める「色」だけではなく、「柄」にも着目してみましょう。
柄にはそれぞれ異なる意味合いが込められていて、1つ1つの大きさによっても、印象は大きく変わってきます。
例えば、身長が高い人には大き目の柄が、小柄な人には細やかな柄が良く似合います。
そのため、意味合いも兼ねながら「好き」と「似合う」を両方叶えられる色柄を見つけましょう。
*理想の花嫁の雰囲気をイメージする!
色打掛や引き振袖は彩りが豊富なので、どの色にするかで迷ってしまった時は、自分の「理想の花嫁」のイメージを改めて思い出してみましょう。
例えば、かわいらしくお姫様のような雰囲気にしたい方は「ピンク」や「水色」、大人っぽく優雅でいたい方は「黒」や「濃い赤」が似合っています。
このように、「どんな花嫁になりたいのか」をイメージして、どの衣装を着るのか決めていきましょう。
*「どんなシーンや雰囲気の中で着用するのか」も考慮してみる!
和装のデザインだけでは決められないときは、フォトウエディングを撮る会場の雰囲気にも気を配ってみましょう。
神殿の前での撮影であれば、王道のカラーが良く映えますし、日本庭園での撮影であれば、顔色が良く映るものを選ぶと後悔のない1枚を残せますよ。
□和装でのおすすめの撮り方!
ここからは、和装を着てフォトウエディングを撮る時のおすすめポーズをご紹介します。
納得のできる素敵な1枚を残すためにも、「どんな写真にしたいのか」しっかりイメージを固めていきましょう。
1.正ポーズ
定番の撮り方といえば、立ち姿の「正ポーズ」。
和装が一番よく見える撮り方なので、お2人の顔と衣装をしっかり写真に収められます。
屋外・屋内問わず撮影できるポーズなので、必ず1枚は撮っておきたいポーズですね。
2.見つめ合いショット
こちらも定番の、新郎新婦がお互いを見つめ合う「見つめ合いショット」。
お顔を向かい合わせて近づくことで、とても可愛らしい雰囲気が醸し出されます。
3.背中合わせ
お互いが背中合わせになるポーズでは、手元と表情で雰囲気がガラリと変わってきます。
目線をカメラから外すと美しい佇まいが際立ち、明るい笑顔で撮ると幸せオーラで包まれます。
4.手を取り合って
お互いの手を取り合うこちらのポーズも、目線によって印象がかなり変わってきます。
目線を手元に落とすとロマンチックな1枚を、遠くを見つめると爽やかな雰囲気の1枚を残せます。
□まとめ
和装は、種類によってそれぞれ異なる歴史や特徴を持っていて、また各々のデザインやカラーによっても、そこに込められている意味合いには違いがあります。
例えば、王道の白無垢であれば「純潔」で「高貴」な雰囲気が漂い、色鮮やかな「色打掛」を着れば、華やかで明るい印象が醸し出されます。
そのため、「どんな花嫁になりたいのか」明確なイメージをもって、どの衣装を着用するのか、何色の和装を着たいのか、じっくり考えていきましょう。